お知らせ

2013-03-04 19:03:00

 すっかり三月になってしまい、久しぶりの更新になり申し訳なく思っております。昨年から低温傾向で遅れていた生育が、2月の春分の日前後の春本番の陽気で一気に開花が進み、この一か月忙殺されていました。寒い間『ためて』いたエネルギーが春の陽気スイッチで一気に「ON」にされ、これでもかと植物の勢いづいた時のスピードの怖さを身をもって知りました。そして3月は一年で一番花が動く時期で、人も動く時期。寒暖を繰り返しながら進む季節を楽しむ暇などなく、花びらより身体が先に散りそうです。最後の追い込みに気合を入れたいところです。

 

 話は変わり先月、バレンタインデーの日に熊本県庁横のテルサホールで開催された「アンディー松井さん(松井 紀潔さん)」の記念公演を聞きに行ってきました。立ち見も出るほどの盛況ぶりに、氏の考えを参考に閉塞感漂う現在の農業界の期待の高さが伺えました。ざっと見て農業者三割、サラリーマン三割、残り農業学生及び関係者と言ったところで、衰退の一途の農業界を、他産業の優秀なエリートサラリーマンがビジネスチャンスと捉えて、参入のタイミングを虎視眈々と見極めてる姿が垣間見えました。公演内容は氏の生い立ちから、今後の展望や日本の農業に望むのもなど多岐に渡り、すべてのスケールがあまりにもデカ過ぎて、今も私には?でした^_^;。

 奈良の農家の長男に生まれながらも希望が持てず、片道切符で25歳の時日本のを離れアメリカのサリナスで大成功を収めた氏は「圧倒的スケール」と「時代の風を読み他に先んじてのシェア確保」と「努力の末の高品質」言う武器で大成したのではないか。しかしすべて運任せではなく、地道に自らの足で徹底的にマーケティングをしていたと知人から聞くと、この繊細さも日本人ならではの特性として成功の重要なファクターだったのかも。それにしてもダメなら次と、ダイナミックに品目を変える勝負師としての感性は天性のもではないか。

 

 先月、日本はアメリカに対しTPP参加を表明しました。各農業団体もシナリオ通りに反対し、補助金の獲得に帆走する準備に入った様子。ガットウルグアイラウンドで何を学んだのか?補助金と言う規制でまた囲い込むのか。取りあえず例外はあるとの事ですが、ボタン一つで世界と繋がる現在、同一品質なら世界中から安い荷が集まるのは避けれない現実。松井さんは「規模の拡大」で大成功を成しえたのですが、ここにいる全員が規模拡大で成功する訳がなく、人それぞれの器、適性に合ったやり方を見極めることが成功の最短距離ではないか。

 夢を「ためる」。思いを「ためる」。悔しさを「ためる」。じっと耐えてタイミングを見て『ためた』思いが開花する時を待ちたい。競争は必要、規模拡大も必要、合理化も必要。しかしそれだけではなんと味気ない世界になるのだろうと心配になる。今の人類の栄華の礎はじっと耐えチャンスとものにしての事。恐竜の陰でお怯え暮らしていたネズミの様な哺乳類の末裔。この先何が起こるか分からない。チャンスを待つ忍耐と、環境に変化すること。そして生物の生き残るもう一つの重要な条件は「多様性」であることも常に頭の隅に忘れずにおきたい。自分らしく成功するために。

 公演が終わるころには周りにミニアンディーさんがたくさん生まれていた事に「おいおい大丈夫かい」と要らぬ心配をしながらもこの農業界に射す一光の光を感じ、期待して帰路に付きました。

 

 

 出荷の方はと言うと、啓蟄も過ぎ明日からは20℃超えの日々で出荷も加速しそうな勢いです。アリアムも各産地出そろい賑わってくるでしょう。ブプレリュームは第3ステージが順調に切れています。来週には最終ステージも加わりピークを迎えます。ブルーパフュームも無加温ハウスが切れ始め、スネークは加温ハウスの最終ステージに入ります。高温で坊主の弛みに気を付けたいところです。ハウスれんこんも始まりました。身体がもう一つ欲しいですね。