阿蘇地方を始め県内に無残な被害を残した今年の梅雨も、関西や関東に遅れて月曜にようやく明けることが出来ました。県内各地の災害復興に向け、夏休みを利用した学生ボランティア等が積極的に活動してます。一日でも早く元の状態に戻れるように頑張っているみたいですが、ことのほか被害は甚大で暫くは暑い中大変な作業が続きそうです。周りを見渡すと、皆さんこぞってトマトの栽培に例年になく積極的でしかもその作業を加速、増産を始めました。これは阿蘇産の高冷地トマトが被害を受けたとの見込みでの現象ですが、農家のしたたかさと言うか商機を嗅ぎ取る鼻のなんと素晴らしいことに感心させられます。参考にせねばバスに乗り遅れそうですが、ちょっと違和感を感じるのは何なんでしょう。
被害に合われた方たちのお見舞いと、早期の復旧をお祈りいたします。
二か月を過ぎたれんこんの収穫も残り二週間あまり。梅雨明けと共に35℃超えの猛暑の中、消耗戦の状況を呈してきました。気力維持の為、相場は極力見ないようにしていますが、きっと素晴らしいと思います。
いよいよパンジービオラの播種が残り一か月を切り、種子の注文の最終期限を迎えました。どの品種をどの位作るのか何時作るのかと過去の販売データを参考に熟慮を重ねるのですが、なかなか簡単には決まりません。種苗会社は付加の付く高額な商品が大量に売れれば良し、生産者は市場で高く売れる商品が安く、歩留まりの良く生産性の高さを望み、消費者は安く買えてコストパフォーマンスに優れた商品を望む。それぞれがそれぞれの立場で違う要望を持っておりこのバランスを保つのが非常に難しい。いろいろ考えた結果
「それぞれがそれぞれの立場で、また買いたい、売りたいと思うことを継続していける」これに尽きるのではないかと思います。最終的な主役は消費者でそれを中心に回る状況が理想のような気がします。いびつな円にならないように気を付けたいものです。
そしてもう一つ、花は嗜好品。データー偏重の固い販売も良いけど作る側も、買う側も「ワクワク」この期待感を常に維持したいと思います。そこで個人育種のビオラと香るビオラ、この辺をチョイスしてみました。他にも遊び心満載の木村園芸をご期待ください。
連日の九州地方の大雨、特に北部九州は甚大な被害も出始めています。油断できない梅雨後半の大雨はここ熊本でも断続的に降り続き、れんこんの掘り取り作業も困難を極めております。既に6月末で当地区のハウス栽培は大方終了し、休むことなく露地れんこんへと順次推移しています。
掘り取り作業はダバ(胸まである胴付ゴム長)を着て水に腰までつかりながらの作業です。ハウスの時にはそこまで感じなかったのですが、外に出た途端に連日の悪天候で雨が降れば合羽を着、止めば蒸すため脱ぎ雷が鳴れば恐れおののき頭を下げ身を潜め、重装備で頬を刺す蚊すら払うこともできず、終了時間まではノンストップの我慢比べです。まさに自然と共に作業をしています。今日も掘らせていただきますと謙虚な気持ちが自然と身に付き、畏敬の念を払いながらの作業はさらに人間を小さく感じさせます。ポケットに忍ばせたipodで3,000以上の曲をランダム再生し、今どきの農家を演じつつも内心ドキドキ、水に浸かっているから落ちたら間違いなくあの世ですから。
しかしこんな仕事、他じゃやらないだろうと不思議と使命感が燃えてきて、みるみる気持ちが高揚してくるのがわかります。変な感覚なんですが、これもこの地区の後継者が8割近く育っていて切磋琢磨する活力がそうさせているのかもしれません。TPPの見えない遠い競争の前にお隣さんとの競争も大事かもですね。
「おいおい止めちゃったの?」
近くに落雷があったのでお隣さんは早々と退散です。まだまだ欲が勝っているのか産地の都合で簡単に止めては消費地に迷惑をかけると大義を抱えて、そんな事を自分に言い聞かせながら作業続行(一般に言う農家魂?)
自分とパートさんの身の安全に一抹の不安を感じながらもipodのボリュームをさらに上げて募る恐怖を打消しながら無事作業終了。このように日本の食料は安定供給されています。
瞬!れんこん第一部もハウス栽培の終了と共に終わりました。取引頂いたお客様ありがとうございました。第二部露地も今月20日頃には案内できると思います。よろしくお願いいたします。
(ほりまる君の吐き出しノズルに装着しているのは、泥水防止箒で泥水が顔に飛んでこないようにする自前の仕掛けです)