まだまだ梅雨明けの声を聞かぬ現在、先週の「数十年に一度の猛烈な台風」が熊本目掛け向かっているとの事で、その対策に翻弄された一週間でした。いざふたを開けてみれば、終始台風の目に入ったのではないかと思えるほどの無風状態でした。つい最近も気象衛星を打ち上げてたみたいですが、その精度は如何なものなのでしょうか。まだまだ自然現象の予測に人間の英知は及ばないと言うことか。加えてメディアも今回は煽り過ぎではと思われるところもありましたが、あまりにもことの無さに不満があるくらいで、完璧に準備できたことを幸いとし無事に通過したことに感謝したいと思います。
そんな中、小原流「挿花」6月号にアリューム(野菜としてのネギも含む)の特集記事が載ってましたので簡単に紹介したいと思います。まずネギ属の植物の「かがく」としての全体の生理生態を解説してあり、DNAを元にした最近の分類ではユリ科、ヒガンバナ科ではなくネギ科を立てたことや、匂い(アリューム)の科学的な解説に改めて勉強させていただきました。
次にその中で生け花(生花)として使えるアリュームを図鑑形式で紹介してありました。当園で生産しているアリュームも数点載っていましたが、オリジナルの「スネークボール」が「グリーン・スネーク」としてキッチリ載せて頂いたことに感動しました。次にアリュームの曲げの謎に迫っていて、熊本で一番生産者の多い八代地区の紹介がなされていました。産地としても不必要な競争を避ける為、表に出せる曲げと、そうではない曲げがあるみたいで、詳しく解説を加えたいところですがそこは辞めときます。この地区には若手の新規就農者がアリュームを挑戦していると言うことで非常にうれしく思います。若手が加わることで斬新な切り口での発想や創意工夫、また仕立てなどが加わり業界の発展にきっと繋がるものと思います。このような新たな及び多くの支流が集まり、混ざりながら大きな大河になって海に注ぐ。このような流れがさらなる発展の源のような気がします。ぜひともアリューム界で活躍してもらいたいものです。
最後に「アリュームの不思議・魅力をいけるー点と線の美しさ」と言うことで当園の「スネークボール」が使ってあったので紹介しときます。いけ手の知地さんはフェースブックの「花の現場」を主宰されてて、私もこちらの方が先に特集記事を組んだとの知らせで入手した次第です。ありがとうございました。
今回アリュームという狭いカテゴリーの花を取り上げて頂き感謝いたします。しかし独特の世界観を持った花でもあり、生産者が工夫によって、まだまだ伸びしろを残した花でもあります。このように取り上げて頂いたことにアリュームの生産者として非常に感謝いたします。改めてありがとうございました。今後も努力していきたいと思います。