連日の九州地方の大雨、特に北部九州は甚大な被害も出始めています。油断できない梅雨後半の大雨はここ熊本でも断続的に降り続き、れんこんの掘り取り作業も困難を極めております。既に6月末で当地区のハウス栽培は大方終了し、休むことなく露地れんこんへと順次推移しています。
掘り取り作業はダバ(胸まである胴付ゴム長)を着て水に腰までつかりながらの作業です。ハウスの時にはそこまで感じなかったのですが、外に出た途端に連日の悪天候で雨が降れば合羽を着、止めば蒸すため脱ぎ雷が鳴れば恐れおののき頭を下げ身を潜め、重装備で頬を刺す蚊すら払うこともできず、終了時間まではノンストップの我慢比べです。まさに自然と共に作業をしています。今日も掘らせていただきますと謙虚な気持ちが自然と身に付き、畏敬の念を払いながらの作業はさらに人間を小さく感じさせます。ポケットに忍ばせたipodで3,000以上の曲をランダム再生し、今どきの農家を演じつつも内心ドキドキ、水に浸かっているから落ちたら間違いなくあの世ですから。
しかしこんな仕事、他じゃやらないだろうと不思議と使命感が燃えてきて、みるみる気持ちが高揚してくるのがわかります。変な感覚なんですが、これもこの地区の後継者が8割近く育っていて切磋琢磨する活力がそうさせているのかもしれません。TPPの見えない遠い競争の前にお隣さんとの競争も大事かもですね。
「おいおい止めちゃったの?」
近くに落雷があったのでお隣さんは早々と退散です。まだまだ欲が勝っているのか産地の都合で簡単に止めては消費地に迷惑をかけると大義を抱えて、そんな事を自分に言い聞かせながら作業続行(一般に言う農家魂?)
自分とパートさんの身の安全に一抹の不安を感じながらもipodのボリュームをさらに上げて募る恐怖を打消しながら無事作業終了。このように日本の食料は安定供給されています。
瞬!れんこん第一部もハウス栽培の終了と共に終わりました。取引頂いたお客様ありがとうございました。第二部露地も今月20日頃には案内できると思います。よろしくお願いいたします。
(ほりまる君の吐き出しノズルに装着しているのは、泥水防止箒で泥水が顔に飛んでこないようにする自前の仕掛けです)