お知らせ

2016-01-01 00:00:00

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 素晴らしい日の出と共に、2016年が始まりました。改めて明けましておめでとうございます。例年に比べ暖かい元日を迎え喜ばしいのですが、生産の現場は暖冬の影響を、最後まで引きずった素直には喜べない年明けでした。新年でもあり気を取り直して、仕切り直しとしたいところです。

 4日の初市に合わせ、元日採花の翌2日調整でアリューム「スネークボール」の初荷を無事行うことが出来ました。暖冬で少し小ぶりの個体も見受けられますが、より高度な曲げでカバーできればとの思いで作業を行いました。日を追うごとにステムのボリュームは上がってくると思います。2016年「スネークボール」5月末まで連続出荷の予定です。今年もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。安定出荷に努める所存ですが気象状況で多少左右されることをご理解ください。

 また、昨年度より近隣産地よりさらに今年度は県南産地よりスネークボールの類似品(バッタ物)が市場を賑わしてるみたいです。現物画像を拝見する限り上に布をかけて勝手に曲がったものを、摘まんで切って揃えてるのではと思われます(よく分かりませんが時間がある時は少し手を入れたりして)。同じ丹頂の球根で似たような切り前で「曲り」と言う抽象的で主観が入る説明に苦労する部分ですが、真似るのは商材ではなく、市場を拡大するに値する新規性のある商品や、作りこむ熱意ではないのだろうか。これでは近隣諸国と同じ考えの劣化コピー品と言われても反論できまい。歴史ある大産地が、そのプライドや品格までも犠牲にして目先 の少しばかりのお金を追っているとは思いたくはないのである。正当な競争で市場が賑わい活性化するのは大賛成であるが、無関係の市場を混乱に陥れるのはいかがなものか。東京五輪のエンブレムを始めとする昨今の模造問題、これら問題で何を学んだ。受け入れ拒否をする市場があるのはなぜなのか。それでもそれら品物が上場し市場性を得続けるのであれば、市場の信頼性に対する私の敗北であり、布を被せて「チン」で仕上がるのであれば、手間暇かけて20年弱作り続けた「スネークボール」に対してのこれまた努力不足により敗北である。過去一緒にやってきて、私のこの商品に対する思いを間近で見てきたろうに。被せて曲げるのに曲げ代が欲しいというから払ってただろう。それが理解できず私は去っただろう。何を目指しているのか、何が欲しいのか私には理解できない。もはや悲しいのである。最後の望みとしては「完璧なコピー」をして頂きたい。ならば片目を瞑ることもやぶさかではない。

 TPPも始まる中で競争はさらに大きく外に向かって激しさを増すでしょう。こうした状況においてなぜ足元で足を引っ張り合う。大多数の生産者は自信を持って自らの分身を作り育て世に出している。そして消費者に選んで頂く事でさらに前に進めるのである。私は零細な個人生産者、発言できるのはこの場でしかないからこそ言わせてもらうのである。競うなら姑息な手段は取らず、正面から来て欲しい。ちっぽけでも、花作りも「下町ロケット」の精神が存在することを信じたいのである。ここは日本である。安易な発想であたかも新しい花であるかのように名称を付けて、世に出す考えはとても正気とは思えない。少しばかり大きい船に乗っているからと言って、何でも許されると思ったら大間違いである。こんな恥ずかしい「クレイジーな品」は業界の健全な成長の為にも、自ら取り下げるべきである。新年と言うめでたい時、さあ気を取り直して次に行きましょう。

 

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 画像はつい先日、FLORE21様より送って頂いた「東京植物図譜」と言う目録(図鑑)です。3月頃に取材を受けていてすっかりボツになったものと思っていました。届いた瞬間に背筋がピンと成るのを感じ胸の中に熱いものを感じました。これからも愚直に直球勝負で行きたいと思います。FLORE21様及び来ていただいたT様、ありがとうございました。一生の宝物になりました。

今年も零細の個人生産者ですが、2016年を精一杯頑張らせていただきます。

 

 

2016年  元日    木村園芸   木村敏朗