今年は異常な高温状態が既に2週間近く続いており、更にあと数日は続くとの予想のここ熊本です。記録ずくめの気温は平年より5℃近く高い状態で、それでも今までと同じ品質、タイミングで作物を作らなくてはならず。大変な状況に置かれております。切り花の定植は後ろにスライドしても、需要期に開花させなければならず、無理と分かっていても定植せざるを得ません。後は涼しい環境にどう近づけるかですが、上部に覆いをし、窓を全開しても限度があります。後は作っている本人の「頑張れ!」という”念”ぐらいでしょうか。その”念”いっぱいの環境の中で、先発のパンジービオラが答えてくれて順調な仕上がりになってきました。今時点で3割ほどの開花でしょうか。そこで販売日を来週の15日(金曜日)に決めて、今はその日に向けて急ピッチで準備を整えております。切り花の定植もこの環境で、老体に鞭打ちながら続けています。物を作るのは大変だと思いながらの作業でが、もう少しお待ちください。
スネークボールの定植も始まりました。
ブプレリュームの定植も始まりました。
各種アリューム類の定植も始まりました。
ZAIJINオリジナルビオラも咲き始めました。
お盆前から続いていた、二回目の梅雨。その貴重な晴れ間、19日に今年最初のパンジービオラの播種を行いました。もちろん毎年気候は違えども、ここまで大胆な変動に、戸惑いながらも期待に応えれるようにやるしかありません。コロナ禍も終息にはまだまだ先のようで、巣ごもりに花を添えるべく魅力的な品ぞろえと力を込めすぎて、品種数はパンク寸前。管理できるのかいよいよ未知の領域に突入しました。個人育種家の在津さんとタッグを組んで3年目に突入し、今年こそは当園の方向性を決めるべき品種に絞り込めたらいいなとの思いですが、またまた新しい品種に出会ったらどうしようと、思いながらも期待もし、疲れ混乱するのは必至です。「これが花作りなんですよ」と自分を納得させ2021年のパンジービオラがスタートを切りました。播種後は何時ものようにピザと自前のスイカで発芽の無事を祈願しました。10月からの販売に向け、花盛りに致します。しばしお待ちをm(__)m
長年にわたり花を手掛けてきて、こんな名誉なことは有りません。実は、小原流の家元にご来園頂きました。小原流とは近くで、懇意にさしていただいてるお花屋さんが、小原流を専門に行われていたことで早くから存じ、蓮の花、巻葉、展開葉、及び枯葉などは、たまに納めてきました。しかし今回はアリアムと言うことでホントに驚きました。振り返ればアリアムの茎を曲げたり、あえて小さく作ったり、また逆だったりして「何でこんな無駄な作業をやっているのだろう」、「こんなことやっても意味ないだろうな」、「こんなバカな手間をかけたらバカ(いい意味で)に繋がるかな」を途中長年繰り返し、試行錯誤の迷走した時期も続きました。これいいんだけどなぁ、伝わんないな~、そんなのが長く…。最近でこそ家内に叱られまして、仕方なく効率を優先的に選択するようになりました。が、今思えばこの迷っていた時期こそ、花に対する情熱を高めることが出来、結果その先に居られる花の使い手さん達を想像する絶好の無駄時間だったような気がします。また𠮟られそうですが、効率ばかりじゃ面白くない。何事も遊び心を大切にしながらも情熱を注ぐ。これらの答えを今回、頂いた気が致しました。この閉塞した時代の中でのこの基本姿勢をぶれずに身に付け、また続けていきたいと思います。まだまだコロナ禍で世の中は大変な状況です。早く終息し平時に戻るのを願うばかりです。遠いところ、はるばる熊本まで有難うございました。そして花よねさん、ハナマツさん。記者のS様、カメラマン様お疲れ様でした。
最後に小原様、有難うございました。感謝致します。
木村園芸 木村 敏朗
小原流 挿花 6月号 みる/きく/いける アリウム
異常な早さの梅雨入りを前に、熊本もどんよりとした天候が続いております。昨年暮れより出荷していたアリアム類も昨日より出荷が始まった「昇龍」で出荷は一応終了いたします。ドライシリーズは現在追熟中で梅雨明け後の出荷になりそうです。現在もコロナの変異ウイルスが日本中で蔓延し各地で緊急事態が発令されたいる状態ですが、昨年もこの時期は最悪に等しい状況で2割ほどの出荷に止まりました。一年経過し状況も改善されると思いきや、益々悪化してる状況ですが花の販売は、1月、2月こそ低迷したもののそれからは母の日の先週に至るまで、ずっと安定した販売に終始したと思われます。昨年は生命危機に花より食糧の雰囲気、今年はというと危機的状況だからこそ「大事な人に花で思いを伝える」その事がいかに大事なことか如実に表れたのではないのか。結果的には花生産者、花市場、花屋さんと業界は昨年と比較して少しは安堵できたのではないでしょうか。まだまだ予断は許せませんが、目の前の仕事を淡々とこなしていこうと思います。
今年も多種のアリアムを出させていただきました。丹頂系のブランド規格の「陽気なおてもやん」も無事船出しました。シクラムも沢山の問い合わせも頂きました。ドライシリーズも予約が入り始めております。購入者すべてに感謝申し上げます。来期に向けての準備も始まりましたが最後まで頑張っていこうと思いますのでよろしくお願いします。
2021年、明けましておめでとうございます。心配していた年末年始の大寒波もなく比較的穏やかな年明けでした。そして本日無事に、今年最初の初市を迎える事が出来ました。そのためにる生産地は元日より準備し、翌日に初荷を載せたトラックを送り出すのですが、新年最初の相場は株価と同じでその年の流れを反映するので非常に気をもんでおりました。コロナ禍で頼みの初詣にも行けず、天の神に祈りながらその日を迎えました。そしてまずまずの船出をする事が出来、お客様はもとより関係者の方々に感謝申し上げます。全国津々浦々から生産物が各々の拠点市場に集まり評価を受け、数字という冷酷な結果を頂く。農業をやって20数年経った今でも緊張する身としては、小心者でまだまだ人間が出来てないと反省もする。農家は毎年変化する気候に対しても、全身全霊のセンサーも駆使して微調整を行い、すました顔で何時も通りの商品を当たり前に作り出す。これを理想としながら正解に近い品を作り続けることが、自ずと評価に繋がる。つまりは花という商材を通して、作っている本人が評価されているのである。だから大事なのは物を作る上での信念や情熱、物語りが重要になってくる。それが無いなら結果は歪んでくるのは致し方ない。熊本は昔からアリアムの主産地である。先人たちの築いた地盤の上に私たちは立っている。真似をするならオリジナルを超えてほしい。そうしないと主産地としての地位が保てなくなるのは当然のように思えてくる。組織なら堂々と道の真ん中を歩かなければ、後に続く人が不幸になる。「魚は頭から腐る」とのことわざにならぬ様、共に切磋琢磨してアリアム主産地としてのプライドを維持いていこうではないか。
今週中にも首都圏でだ緊急事態宣言が発出されそうである。昨年アリアムのトップシーズンをコロナ禍が襲った。投げ売りするよりはましだとの思いから土に返した。報いを今年返そうと意気込むも、買う方も同じように厳しい状況。だから人と人の商売をしなければ、とても持たない。生産者としては良い花を届けることで、少しでも多くの方々に、安らぎを与えることが出来れば本望である。そしてこのことを遠くから見てるだけしか出来ないのだから。新型コロナウィルスの終息を1日でも早い終息を願っております。今年もよろしくお願いします。
令和3年 1月4日 木村園芸 木村敏朗