先月末に熊本地震で行えてなかった「一人反省会」を敢行しました。地震から三か月経ち、気持の充填も出来心配して頂いた方へのお礼参りも兼ねた旅でした。今年は関東方面に行かせて頂き、お取引のあった市場の仲卸様と小売店様では業界ではトップクラスの方々の店舗に寄らせて頂きました。
聞きたかったのは二つで、一つは自分は必要とされているのかとの問い。二つ目は今後目指す方向としては今の延長線上でいいのか。この二つを確認したくて、1,300㌔で7時間をかけて新幹線で行ったのでした。ネット社会の今、同じ規格で同一品質ならば一円でも安く買うのは、至極当然。言い換えれば人と同じことをやってても結果は見えてる。もっと自分らしく、もっと思うがままに感動を伝えるべく・・・このことは意識はしていたが、結果は「もっと弾けろ!」と言うことで、「ホントですか」と思わず切り返すありさまで、いやいや都会は違うな~と十分すぎるほどのエールを頂いたと思っております。ここで充電した気持を元にまた一年間の花作りが始まります。花作りは人づくり、個人でやるからには相手と一対一の真剣勝負で不要な花を買い支えてくれるほど世の中は甘くない。必要とされるように変わることも大事になろう。少し調子づいてますが、ここにまた今シーズンの自己の表現が始まります。
7月13日から30℃以上の夏日を連続40日近く、35℃以上の真夏日11日記録していたここ熊本も、一昨日よりやっとこれらから解放されました。10日前に播種したパンジービオラも一時はどうなることやらと思っておりましたが、真っ先にこの心地よさを感じていました。効率的に大量生産すればコストも下がるだろうに、あえて真逆の生産方式は熱烈なお客様の支持があっての事。今更変えろと言われてもそれは止める時。それまではレトロなこのやり方でお付き合いください。腰も痛いし、目もかすむけど負けません。
そしてお決まりは、発芽の無事を祝って!
そして6日後、圃場に展開する。
ブプレも始まりました。
今シーズンもよろしくお願いいたします。
しばらく間が空いてしまいましたが、私は元気に農業を営んでおります。ただこの一年、ここ熊本においては試練の一年となってしまいました。昨年8月の猛烈な被害をもたらした台風に始まり2月の大寒波、止めの熊本地震とまさに踏んだり蹴ったりの状態です。避難生活も続き車中泊による体の痛みに加え、気力の低下にライフラインの悪化と、およそ生きてる間には経験する事は無いほどの打撃を一度に食らいました。
この期間、幸いにも一度も滞ることなく出荷が出来た事は、一つは目の前の仕事が続けれる状態であった事、二にその品物を待って頂ける方々が居られた事、三に運送会社様のプロ魂に他なりません。そして沢山の励ましの電話、メール等を頂きここに完全に復活を致しました。この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました。
地球的な視点からすると、今回の事象は単なる地球の咳にも満たないことかもしれない。しかしこのような事象は常にどこかで起きている事でありまた予測も出来ないことである。と言うことは素直に営農及び生活を継続できたことに感謝し、望まれる間は「一所懸命働け!」と言うことと肝に銘じ頑張っていこうと思います。
振り返れば4月でブプレリュームの出荷終わり、6月でアリューム類も終わっていました。5月後半から始まった蓮根の生産もほぼ終了し、来月からの花壇苗の準備に取り掛かっております。県下の随所で修復作業が続いています。完全復旧には10年単位の期間が必要になるはずです。しかし被害が少なかった人々はいち早く通常に戻り今まで通り、またそれ以上に活躍してこそ復旧の近道と思い頑張らせていただきます。旅費の復興支援もありますのでぜひ九州に来て応援をお願いいたします。
蓮根も終わりつつある現在、震災で今年の花の反省を行っていませんでした。今年は関東の年、一人旅ですが余暇も込みでガッツリ反省の旅路に行かせていただきます。
画像は小原流「挿花」の2月号と3月号です。紹介するのが遅くなりました。掲載ありがとうございました。
素晴らしい日の出と共に、2016年が始まりました。改めて明けましておめでとうございます。例年に比べ暖かい元日を迎え喜ばしいのですが、生産の現場は暖冬の影響を、最後まで引きずった素直には喜べない年明けでした。新年でもあり気を取り直して、仕切り直しとしたいところです。
4日の初市に合わせ、元日採花の翌2日調整でアリューム「スネークボール」の初荷を無事行うことが出来ました。暖冬で少し小ぶりの個体も見受けられますが、より高度な曲げでカバーできればとの思いで作業を行いました。日を追うごとにステムのボリュームは上がってくると思います。2016年「スネークボール」5月末まで連続出荷の予定です。今年もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。安定出荷に努める所存ですが気象状況で多少左右されることをご理解ください。
また、昨年度より近隣産地よりさらに今年度は県南産地よりスネークボールの類似品(バッタ物)が市場を賑わしてるみたいです。現物画像を拝見する限り上に布をかけて勝手に曲がったものを、摘まんで切って揃えてるのではと思われます(よく分かりませんが時間がある時は少し手を入れたりして)。同じ丹頂の球根で似たような切り前で「曲り」と言う抽象的で主観が入る説明に苦労する部分ですが、真似るのは商材ではなく、市場を拡大するに値する新規性のある商品や、作りこむ熱意ではないのだろうか。これでは近隣諸国と同じ考えの劣化コピー品と言われても反論できまい。歴史ある大産地が、そのプライドや品格までも犠牲にして目先 の少しばかりのお金を追っているとは思いたくはないのである。正当な競争で市場が賑わい活性化するのは大賛成であるが、無関係の市場を混乱に陥れるのはいかがなものか。東京五輪のエンブレムを始めとする昨今の模造問題、これら問題で何を学んだ。受け入れ拒否をする市場があるのはなぜなのか。それでもそれら品物が上場し市場性を得続けるのであれば、市場の信頼性に対する私の敗北であり、布を被せて「チン」で仕上がるのであれば、手間暇かけて20年弱作り続けた「スネークボール」に対してのこれまた努力不足により敗北である。過去一緒にやってきて、私のこの商品に対する思いを間近で見てきたろうに。被せて曲げるのに曲げ代が欲しいというから払ってただろう。それが理解できず私は去っただろう。何を目指しているのか、何が欲しいのか私には理解できない。もはや悲しいのである。最後の望みとしては「完璧なコピー」をして頂きたい。ならば片目を瞑ることもやぶさかではない。
TPPも始まる中で競争はさらに大きく外に向かって激しさを増すでしょう。こうした状況においてなぜ足元で足を引っ張り合う。大多数の生産者は自信を持って自らの分身を作り育て世に出している。そして消費者に選んで頂く事でさらに前に進めるのである。私は零細な個人生産者、発言できるのはこの場でしかないからこそ言わせてもらうのである。競うなら姑息な手段は取らず、正面から来て欲しい。ちっぽけでも、花作りも「下町ロケット」の精神が存在することを信じたいのである。ここは日本である。安易な発想であたかも新しい花であるかのように名称を付けて、世に出す考えはとても正気とは思えない。少しばかり大きい船に乗っているからと言って、何でも許されると思ったら大間違いである。こんな恥ずかしい「クレイジーな品」は業界の健全な成長の為にも、自ら取り下げるべきである。新年と言うめでたい時、さあ気を取り直して次に行きましょう。
画像はつい先日、FLORE21様より送って頂いた「東京植物図譜」と言う目録(図鑑)です。3月頃に取材を受けていてすっかりボツになったものと思っていました。届いた瞬間に背筋がピンと成るのを感じ胸の中に熱いものを感じました。これからも愚直に直球勝負で行きたいと思います。FLORE21様及び来ていただいたT様、ありがとうございました。一生の宝物になりました。
今年も零細の個人生産者ですが、2016年を精一杯頑張らせていただきます。
2016年 元日 木村園芸 木村敏朗
昨日の11月末を持ってパンジービオラを中心とした、花壇苗の直売をひとまず終了したことをここに報告いたします。10月の半ばから始まった販売から一月半県内はもとより福岡、佐賀、宮崎からも来園いただき本当に嬉しく思います。ありがとうございました。近所へのお裾分けから始まった直売も少しづつではありますが販路を外に外に拡大してきました。細かいうんちくよりもお客様の心を捕らえる訴求力のある品づくり、それは繊細な色の表現だったり株のボリュームや最後まで咲き切ることへの満足感に尽きると思います。癒しや生命力への共感や生活への潤いと、各自求めることは微妙に違えども払った対価以上の物を提供しなければ来年は来て下さらないと肝に銘じ今期の販売を終えたいと思います。これからも丁寧な販売を心掛け来年に向け構想を練っていきたいと思います。今期来園されたお客様も、そうでないお客様もまたお会いしましょう。
花を作るのが好き、喜ぶお客様を見るのが好き、花を中心として広がる豊かな生活。ここに作り手として沢山の勇気や、希望そして信じる心を与えていただきました。これからは切り花に軸足は移りますが、今後ともよろしくお願いいたします。
PS:エルニーニョの影響か記録的な暖冬で、当地区の農水産業に多大な影響が出ております。日本一の生産高を誇る海苔の養殖が始まって直ぐに赤腐れ病に侵され、中止に追い込まれております。雨が降ったタイミングが悪かったのもありますが危機的状況です。施設トマト、露地野菜も生産過剰で大混乱です。花の生産も菌核病を初めカビ性の病気に侵されております。その中で色物のアリッサムの生育が悪く、今年のアリッサムの生育はおかしいとの指摘をお客様から数件いただいております。またパンジービオラも一部株の徒長が見受けられます。時間が取れる方はぜひとも来園して頂き、無償にて交換させていただきたく存じます。ご迷惑をおかけいたしますが、なにとぞご理解いただきたく存じます。
また先週からはパンジービオラに代わり、ブプレリュームの出荷が始まりました。主役には成れない添え花ですが気持ちは主役を作る気持ちでやっています。目立ちすぎず脇をしっかり固め、主役を最大限引き立てる。そのさじ加減が意外と難しい。来年4月までの長期出荷が出来るように4区画で肥培管理しております。何時ものブプレよろしくお願い申し上げます。
またアリューム類のトップを切って「ブルーパフューム」が仕上がってきました。同時に「ダンシングパフューム」の曲げ加工も始まりました。今月中には出荷できそうな勢いです。
さらには主力の「スネークボール」が上がってきました。加工できるまでには後10日程要しますが、今年は今年の曲げがある!この気持ちで来るべきその日に備え気持ちを高めていきたいと思います。
本日より2015年産パンジー及びビオラの販売を始めたいと思います。8月の台風直撃時はどうなるものやと心配しましたが、例年通り無事開園することが出来ました。これもご期待に応えようとする花達の生命力と、来て下さる皆様方との絆があってこそと思います。この頃の朝晩の冷え込みも、よりいっそう花色の輝きを引き出しております。遠い道のりではございますが、ご来店お待ち申し上げます。
なお今年から毎週水曜日の定休日と、販売期間を昨年同様に、11月いっぱいの販売とさせていただきたいと思います。ご理解くださいませ。