お知らせ

2012-02-08 19:14:00

 農家は常日頃から良いものを作るべく頑張っているわけですが、その植物の理想の姿は一番高く買っていただけるであろう姿かたちにならざるを得ません。栽培とするその植物が経済植物である以上仕方のないことですが生産者として一番高く買っていただけるその草姿が、いつの間にか生産する側にとっての理想の形になってしまいます。声無き植物はどう思っているのだろう。一人でも多くの人に喜んでもらえ、また悲しみを和らげることが出来れば良しとしましょう。だから価格は二の次なのに、人間のエゴは留まることを知りません。

 動物と違って移動手段を持たない植物は、そのおかれている環境によりいろんな形でシグナル(声)を発しています。上手い生産者と下手な者との違いはこの声が聞き取れるか否かにかかっているのではないでしょうか。

 写真のブプレリュームは本来の期咲きは春の5月で低温低日照のこの時期はボリュームが付きにくく枝張りも弱いものになってしまいます。その悲鳴が私には聞こえました。どうにかして欲しいというその声が。そこで登場するのがアミノ酸(アミノレブリン酸)液肥です。人間に良いものは植物にも良く、一週間間隔で二回ほど散布すると親は側枝(子供の枝)の為に腰をくねらせ受光を良好に整えます。さらに全体を固く仕上げるためにカルシューム材も同時に入れときます。これでキッチリボリュームは取れるはず。なんと欲の多きことか、これでほぼ経済的理想の形に仕上がるものと思います。

 往々にして農家は植物の声を聴いたことにして、上から聞かせていることに気付きつつ反省もしつつも良い値段で売るからねと、自らをなだめ会話しながら作業を進めています。

 アリアムの場合は病害虫を自ら守るために表面に白い粉(ブルーム)が出るのが理想で、この粉を噴くような管理を心掛けます。胡瓜は消費者の要望でこの粉の出ない(ブルームレス)品種が主流になりました、最近の葉牡丹もこの傾向です。芸能人は歯が命アリアムは粉が命ってところでしょうか。アリアムの場合球根に始まり球根で終わる為、一生の生育ステージをメリハリを付けて管理することが重要のように思います。つまり、「今が人生の花、嫁ぐ時」と言う時期に最高の状態をキッチリ作れるかどうかだと思います。

 厳寒のこの時期、スネークボールは少しづつ増産しています。10日を予定していたグリーンベリーは少し遅れ17日から販売が始まる予定です。

2012-01-22 02:29:00

今年の干支が辰だからと言う訳ではないのですが、当園より阿蘇方面に向かって小一時間の甲佐町に来ました。ここはまだ標高はさほど高くはないのですが、山特有の凛とした空気とマイナスイオンに満ち溢れていました(^_^.)。

写真は雲竜柳の変種のドラゴン柳。心臓の血管に造影剤を入れ写したようなインパクト抜群の独特の曲がりが最高です。昨年より手がけている新しいアリアムの曲げのイメージに使えるかなとひたすら山へ山へ。農協担当者の案内を受けながら現場に到着し生産者と交渉開始。切り残しのボリュームのあるのを20本ほど分けていただき感謝感激です。早速帰ってからイメージを形にするが為に作業に取り掛かりました。辰年の今年、無事昇ってくれれば嬉しいのですが。

翌日は西部花卉部会の今年最初の現地検討会でした。丹頂類の生育はいたって順調で昨年より3週ほど前進しています。ここは山の中腹にある村上氏の圃場で目の覚めるような良い出来でした。このまま順調に推移すれば来月10日辺りには「グリーン・ベリー」として出荷開始の見通しです。昨年よりボリュームもあり期待したいところです。

続いて松崎氏の圃場に移動。ここではアリアム「シュペルティ」も爆発しかかってました。直径30センチには開くこの花はアリアム界のBIGBANG!ですね。これも「グリーン・ベリー」と同時スタートが切れそうです。それにしてもなんと短足な花なんでしょう。天は二物を与えずですか。

三原氏の圃場では新しいアリアムが順調に育っていました。

私の圃場では現在出荷中のスネークボールが第一ステージが終盤を迎え、次のステージに切り替わろうとしています。約10日程、出荷は減少する見込みです。

これも現在出荷中のブプレリュームです。これもステージの切り替わり中(右から左)ですがスムーズな移行が出来そうです。切り始めは若干柔らかめの品が出てきます。

2012-01-04 07:20:00

 

  2012年 新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 昨年末で花壇苗の販売も終了し、現在は切り花の出荷に専念しております。今年は切り花の初セリが4日と言う事で、元日から作業を開始していて2日に発送と何時になく慌ただしい幕開けになりました。画像は昨年末に行われたザ・パロッツのクリスマスディナーショーでのショットです。ザ・パロッツとはザ・ビートルズのトリビュートバンドで6月に続き二回目の開催となります。これまた八代ロイヤルホテルの和田社長の情熱が東京と熊本の地方とを繋げたのでしょう。売り上げの一部を東日本大震災の復興資金に寄付されると言う事で、テーマはAll you need is love /愛こそがすべて となっていますが今の日本に共通する普遍的なテーマに思えてきます。

 一向に出口の見えない閉塞感漂う経済状況の中、当園の目指す方向としてはオリジナル性の高い商品を作り出す、他には無い、出来ない、少しでも得意な分野を伸ばし独自ブランドを確立こそが唯一の生き残りの方法と感じます。社会全体から見ればゴミみたいにちっぽけですが、それでも格好よく言えば田舎の片隅で地方再生の一翼を担っていきたいと思います。今年は共通の認識を持った仲間を少しでも増やし、農業界を盛り上げることが出来ればと思います。地方が元気にならなければ中央の発展もないと思うのですが。

 耳触りの良いグローバリゼーションや市場原理と言う言葉をよく聞きますが、絶対に避けて通れないと思います。しかし、これまでの大量生産、大量消費、廃棄に未来はありません。愛ある適正な競争が理想です。これが本当に日本再生のカギとなるならばTPPもしかり、来るべく新時代に農業界も早急に準備を整えないといけないと思います。

重ね重ね、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

2011-12-19 05:47:00

先月より出荷中のブプレリュームに続きアリアム「スネークボール」が本日から販売になります。当初から年内の出荷を目指していたので何とか目標達成です。本来の期咲は5月で約半年早めた超促成になります。同じ曲りは無いであろう1本1本手作業による曲げに、抜群の日持ち、そんなオブジェチックなオリジナルのアリアム「スネークボール」をよろしくお願いします。

先週よりクリスマスセールを開催しています。通常の価格より2~3割引きの販売で今月28日までになります。店内の見本鉢、寄せ植えもすべて売りつくしますのでぜひご来店ください。

 

2011-11-29 18:41:00

先週より2℃、3℃と連続して冷え込み、やっと本来の天候に近づいたと喜んだのも束の間で、今日はまた半袖で作業できる状態にほとほとうんざりです。気まぐれな天気の神様に翻弄されながらも、パンジービオラの販売は何とか折り返し地点を超えたみたいで、中間報告をしてみたいと思います。

今季は中盤に非常にゆったりした販売ペースで、気温高の状況で改植が中々進まないのではと頭では理解しながらも、少し飽きがきたのかなと若干弱気になった時もありました。が、しばらくしてなじみの顔をちょくちょく拝見し、賑わいを取り戻した時に、やはり間違ってなかったと、その笑顔に勇気と自信を沢山頂きました。

生産者として成すべきこと

お客様の信用を裏切らないこと。如何なる気候の変動でも安定した品質を保つのは理想ではあるが、品種毎の特性をさらにしっかり理解選別しメーカーと共に改善に努めること。それらの事柄やその時々の状況をお客様にアナウンスし理解していただくこと。今年古い品種なのですが、「フロステッド・チョコレート」と言う品種が非常に人気がありました。地味な色目なのですが、今度の品種選びのヒントを頂いた気がします。メーカの宣伝に踊らされることなく、キッチリとお客様の望む品種、木村園芸ならではの品種、そして安定した品種特性でさらに魅力ある売り場を築くこと。

当園は、お客様に選んで頂いている。そして育てられている。変化を恐れない。常に忘れないように心がけたいと思います。

 

画像はブプレリュームの初出荷が昨日より始まりました。生育記録が飛んでいきなり出荷で申し訳ありません。おいおい記述したいと思います。

有明海が近いこともありシェルのコンテナに山口さんが素敵な寄せ植えを作られたので紹介しときます。プラチナケールがやっと色づき始め、クローバがいい味だしています。Y’sギャラリーに加えたいと思います。

アリアム「スネークボール」も本日より曲げ始めです。久しぶりにマゲラーズの方々の参戦です。一緒に良い曲りを作りましょうね。永富さん、平野さん頼みますよ。