今週の月曜日の販売を持ち本年産のアリアム「スネークボール」の出荷が終了しました。連日の真夏日で植物体としての限界を超えてしまいました。一月の販売開始より5ヶ月の長きに渡ってご利用いただきありがとうございました。最後にとっても素敵なご褒美を頂きましたので紹介したいと思います。
前回の巳年に発表し、今年で丸々ひと干支で長くもあり短くもあった12年可能性を信じ続けてきた結果が一つづつ結果にになろうとしています。市場の熟成に合わせて、また細かく変化する要望に連動し少しづつ姿を変えていく。変えていいもの、そして変えては成らぬのもを取り違えないようにしながら。
一つの商品を世の中に定着させることの大変さと、遣り甲斐が交錯しながらも一つの充実感を感じ得ました。今年、一人の個人生産者となり今まで以上に実需者の生の声を沢山頂きました。使う側の思いにもっともっと近づけるよう、脳裏にそのイメージを浮かべ、これからもおごる事無く、謙虚に物作りに情熱を注いでいこうと思いました。このような舞台を用意して頂きありがとうございました。観客が役者を育てる。これからも沢山の声を頂きたく思います。
長きに渡り、ご利用ありがとうございました。 木村園芸 木村敏朗
この世に存在する二つの龍は、二つの規格、二つの場所から出ることになった事を、先ずはお詫び申し上げます。
ブランドを作っていく上でこれだけは避けたかったが、調整が付かないまま現在に至りました。
それぞれの思い、夢、希望を持った二つの龍は、互いに絡みながら上空へ舞上がりやがて一つになるだろう。そうでなければこの商品はブランドとして育つことは出来ないであろう。
物を作る熱き魂がこの商品に乗り移り、使う側に伝わるよう願って
アリアム「昇龍」本日より販売を開始いたします。
なお、若干固めでのスタートで本格化するのは来週からの予定です。
10数年ぶりに鹿児島鶴田町の南原農園に遊びに行ってきました。もちろん打上げ温泉付きのコースですが、ホントの目的は同じ歳(実際は1つ上でした)の南原社長の現在も健在の熱きパッションを頂きに行くためです。社長の案内のもと整然と並び丁寧に手入れされたそれぞれの品目を見ていると、やはり農業は素晴らしいと思えてくるのでした。
彼も戦っている。ライバルは周りには沢山いる。その中でどう勝ち残っていくか胸に常に闘志を抱いている。握りしめたこぶしの先には、やはりいい品物を作り出そうとの思いがあふれ、原点に立ち戻り勝負していこうとする姿が見えたような。結果、山梨の八ヶ岳に第二の農場を構えこれからの戦闘の準備を整えつつある。
必ずや成功されるでしょう。良い物を作り続けることに終わりがないことと、それを支持するファンがたくさんいることを確信し進み続ける限り。遅くまでお世話になりました。
※ちなみにスマイとはスマイラックスのことで、上記「スマイ ヤツガタケ」で品種登録(コード登録?)されているそうです。
相変わらず慌ただしい一ヶ月でした。ふと視線を落とすとタンポポがハウスの一角に立派な花を咲かせ、種を飛ばしていました。何処から来たのだろうか。踏まれてもめげず遠くに、遠くに。
11月から出荷していたブプレリュームも先週で完全に終了しました。特に後半の需要期においてはたくさんの支持を頂きありがとうございました。期待を裏切ることの無いように次年度に向け、さらに手を加えていこうと思います。またブルーパフュームにおいても昨日の出荷、明日の販売を持ってこれまた完全に終了いたします。東北産の出荷も始まり上手く産地リレーが出来たものと思います。一部のブルーパフュームは関東の卸売会社を通して香港の花屋さんに渡っていることを知り、自分の手掛けた花が海外の方が愛でて頂いてると思うと感慨深いものがありました。
『種を遠くに』人間が持っているある種の使命と言うか、体の中のDNAがそうさせているのか分かりませんが非常に心地良い感覚を覚えます。自分で売るようになって、「どこの誰がどのような思いで使って下さっている」と言った詳細な感想が少しずつ入るようになり、個人で生産出荷する上でこの上なき励みになります。
画像は試作ハウスで開花中のアリアム「トリペディウム」で、京都生花さんで昨日より開催中の『京の花絵巻』にスネークと共にサンプル提供いたしました。また今週末開催のフラワードリームin東京ビックサイト2013に大田花きさんを通じてスネークとブルーパフュームの花材提供を行いました。お近くの方はぜひ見学に行かれてみてはいかがでしょうか。
京の花絵巻はhttp://www.kyotoseika.co.jp/
フラワードリームはhttp://www.flowerdream-tokyo.net/
約半年に長きにわたり栽培してきたこのハウスもいよいよ終了です。細かいことを言えば数百本の花を犠牲にしての作業に少しばかり心が痛みますが、一日も早く行わないと次作のレンコンの収穫が大幅に遅れる結果になります。土に還しまた蘇ると言い聞かせながらじゃんじゃん作業は進みます。
これぞ農業!ダイナミックです!!
以上の工程を約三日間で行います。知らない人が見たらこの辺りに花のハウスがあったはずとあっけに取られるでしょうね。なおレンコンの植え付けには約四日を要しました。
別ハウスに移行するために、スネークボールの出荷は一時減少いたします。誠意対応したいと思いますが理解いただきたいと思います。また画像の新しい花も仕上げ加工の時期に入ってきました。ご期待ください。
すっかり三月になってしまい、久しぶりの更新になり申し訳なく思っております。昨年から低温傾向で遅れていた生育が、2月の春分の日前後の春本番の陽気で一気に開花が進み、この一か月忙殺されていました。寒い間『ためて』いたエネルギーが春の陽気スイッチで一気に「ON」にされ、これでもかと植物の勢いづいた時のスピードの怖さを身をもって知りました。そして3月は一年で一番花が動く時期で、人も動く時期。寒暖を繰り返しながら進む季節を楽しむ暇などなく、花びらより身体が先に散りそうです。最後の追い込みに気合を入れたいところです。
話は変わり先月、バレンタインデーの日に熊本県庁横のテルサホールで開催された「アンディー松井さん(松井 紀潔さん)」の記念公演を聞きに行ってきました。立ち見も出るほどの盛況ぶりに、氏の考えを参考に閉塞感漂う現在の農業界の期待の高さが伺えました。ざっと見て農業者三割、サラリーマン三割、残り農業学生及び関係者と言ったところで、衰退の一途の農業界を、他産業の優秀なエリートサラリーマンがビジネスチャンスと捉えて、参入のタイミングを虎視眈々と見極めてる姿が垣間見えました。公演内容は氏の生い立ちから、今後の展望や日本の農業に望むのもなど多岐に渡り、すべてのスケールがあまりにもデカ過ぎて、今も私には?でした^_^;。
奈良の農家の長男に生まれながらも希望が持てず、片道切符で25歳の時日本のを離れアメリカのサリナスで大成功を収めた氏は「圧倒的スケール」と「時代の風を読み他に先んじてのシェア確保」と「努力の末の高品質」言う武器で大成したのではないか。しかしすべて運任せではなく、地道に自らの足で徹底的にマーケティングをしていたと知人から聞くと、この繊細さも日本人ならではの特性として成功の重要なファクターだったのかも。それにしてもダメなら次と、ダイナミックに品目を変える勝負師としての感性は天性のもではないか。
先月、日本はアメリカに対しTPP参加を表明しました。各農業団体もシナリオ通りに反対し、補助金の獲得に帆走する準備に入った様子。ガットウルグアイラウンドで何を学んだのか?補助金と言う規制でまた囲い込むのか。取りあえず例外はあるとの事ですが、ボタン一つで世界と繋がる現在、同一品質なら世界中から安い荷が集まるのは避けれない現実。松井さんは「規模の拡大」で大成功を成しえたのですが、ここにいる全員が規模拡大で成功する訳がなく、人それぞれの器、適性に合ったやり方を見極めることが成功の最短距離ではないか。
夢を「ためる」。思いを「ためる」。悔しさを「ためる」。じっと耐えてタイミングを見て『ためた』思いが開花する時を待ちたい。競争は必要、規模拡大も必要、合理化も必要。しかしそれだけではなんと味気ない世界になるのだろうと心配になる。今の人類の栄華の礎はじっと耐えチャンスとものにしての事。恐竜の陰でお怯え暮らしていたネズミの様な哺乳類の末裔。この先何が起こるか分からない。チャンスを待つ忍耐と、環境に変化すること。そして生物の生き残るもう一つの重要な条件は「多様性」であることも常に頭の隅に忘れずにおきたい。自分らしく成功するために。
公演が終わるころには周りにミニアンディーさんがたくさん生まれていた事に「おいおい大丈夫かい」と要らぬ心配をしながらもこの農業界に射す一光の光を感じ、期待して帰路に付きました。
出荷の方はと言うと、啓蟄も過ぎ明日からは20℃超えの日々で出荷も加速しそうな勢いです。アリアムも各産地出そろい賑わってくるでしょう。ブプレリュームは第3ステージが順調に切れています。来週には最終ステージも加わりピークを迎えます。ブルーパフュームも無加温ハウスが切れ始め、スネークは加温ハウスの最終ステージに入ります。高温で坊主の弛みに気を付けたいところです。ハウスれんこんも始まりました。身体がもう一つ欲しいですね。